ASEAN JAPAN CENTRE 日本アセアンセンター

事業報告

35名のASEANおよび日本の女性起業家がビエンチャンで経済的回復力、イノベーション、持続可能性について議論

ASEANおよび日本から集まった35人の若手女性起業家が、11月5日と6日にラオス・ビエンチャンで、ビジネスにおけるイノベーションと持続可能性に関する課題と機会について議論しました。今回の「ASEANおよび日本の若手女性起業家円卓会議」は、国際機関 日本アセアンセンター と ASEAN Youth Organization の共同主催で、 ASEAN中小企業調整委員会 (ACCMSME)、ASEAN ACCESS東アジアビジネスアドバイザリー・カウンシルラオス女性ビジネス協会の支援を受けて開催されました。  

議論は主に「接続性の強化」と「回復力の構築」の2つのテーマに焦点を当てました。参加者たちは、金融包摂の向上、ジェンダーに配慮した投資の促進、デジタル経済への女性の安全な参加を確保するためのデジタルスキルの構築について意見を交換しました。また、MSME(零細中小企業)所有におけるジェンダー格差を解消し、女性が社会的・環境的に責任あるビジネスをリードできるような持続可能な実践の推進についても議論されました。 

ラオス女性起業家であるルクサイ氏(Leuxay Construction の最高経営責任者 )が、自社への訪問時に参加者に対して貴重な見識を共有してくださいました。

2日目には、ラオスの女性経営の企業「Enterprise & Development Consultants (EDC)」と「Leuxay Construction」を訪問し、地域の女性経営企業における成功した運営戦略やベストプラクティスについて貴重な洞察を得ました。これらの訪問は知識の共有を促進し、将来的な協力の可能性を開きました。 

プリマ・デシタ氏(左)とマコ・ヨシオカ氏(右)が、質疑応答セッションで対話を交わしました。

セッション1:金融包摂とジェンダーに配慮した投資

講師:吉岡真子氏(シングルマザーズ・シスターフッド代表、日本) 

吉岡氏は、シングルマザー支援の経験をもとに、金融包摂の強化とジェンダーに配慮した投資促進の戦略について解説しました。セッションでは、資金提供の柔軟性が強調され、受益者が金銭的負担なく助成金や施策にアクセスできるようにすることの重要性が論じられました。 

参加者たちが、パネルディスカッションのセッションでデジタル化と持続可能性に関する課題や問題について積極的に議論しました。 

セッション2:デジタルスキル、デジタル金融リテラシー、安全なデジタル空間への参加

講師:プリマ・デスィタ氏(ベルサマ・インドネシア代表、ASEAN ACCESSネットワークパートナー) 

デスィタ氏は、特にデジタル経済を活用する女性起業家に向けたデジタルスキルと金融リテラシー構築の重要性を強調しました。セッションではサイバーセキュリティも議論され、単にセキュリティシステムを導入するだけでは不十分であり、継続的な監視と定期的な評価が必要だという点が指摘されました。  

参加者が、ディスカッションの内容を視覚的にまとめたものを提示しています。 

セッション3:MSME所有におけるジェンダー格差の解消

講師:ラウィダ・ウィリヤキッチャ氏(タイ商工会議所大学ビジネス学部長) 
ウィリヤキッチャ氏は、ASEAN地域におけるMSME所有のジェンダー格差を解消するための見解を示し、メンタリングやピアサポート、ネットワーキングの重要性が強調されました。 

マイサラ・グエン氏(ラタンハウス CEO、ブルネイ)が、女性起業家に対する資金調達の課題について、自グループの経験を共有しています。 

セッション4:持続可能な実践と女性起業家のエンパワーメント

講師:カトリーナ・イナンディア氏(アマルタ・インパクトおよび持続可能性部門責任者) 

イナンディア氏は、女性起業家をエンパワーメントするための持続可能な実践の役割に焦点を当て、Amarthaが農村部の女性に金融サービスを提供する取り組みを紹介しました。セッションでは、持続可能性をビジネスモデルに組み込むことの必要性が議論され、長期的な成功を目指す方法が提示されました。

ディスカッションの主なポイント:

参加者たちは、ビエンチャンにあるパトゥサイ記念塔を訪れました。 
  • 女性による女性の支援: 
    議論の中心となったテーマは、メンタリング、ピアサポート、ネットワーキングを通じて女性をエンパワーメントする力です。参加者は、特に男性が支配的な業界でジェンダー平等を進めるためには、女性同士の連帯文化が重要であり、お互いに支え合うことで、女性は障壁を打ち破り、意味のある変化を促進することができます。 
  • SDGs実践のビジネスプランへの組み込み: 
    参加者は、企業がどのようにSDGs(持続可能な開発目標)を戦略に組み込み、長期的な成功を確保するかについて議論しました。重要なポイントは、具体的で測定可能なターゲットと透明性のある実施が必要であり、進捗を追跡するための指標設定が不可欠であるということです。 
  • 助成金と融資へのアクセス: 
    女性起業家は、厳格な行政規制、大企業との競争、融資オプションの不十分などにより、金融資源へのアクセスが困難です。これらの障壁を打破するために、行政手続きを簡素化し、柔軟でアクセスしやすい金融ソリューションを提供する必要があるという合意が得られました。
  • 女性起業家のための支援システムの構築: 
    女性起業家のネットワーク強化が重要であることが再確認されました。強固なネットワークは、女性が障害を乗り越え、新たな機会をつかむための支援を提供します。こうしたネットワークを築くことで、メンターとつながり、ベストプラクティスを共有し、女性主導のビジネスに利益をもたらす政策変更を提案できます。 

    円卓会議の成果は、2025年2月13日にクアラルンプールで開催されるASEAN-日本若手女性起業家サミットで発表される予定です。 

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