ASEAN JAPAN CENTRE 日本アセアンセンター

事業報告

「Finopinas: The Finest of Philippine Art and Design」展

日本アセアンセンター(AJC)はフィリピン貿易産業省(DTI)と共催により、2024年9月3日から13日まで東京ミッドタウン・デザインハブにて「Finopinas: The Finest of Philippine Art and Design」展を開催しました。
このイベントでは、持続可能なファッション、家具類、アクセサリー、現代美術を含むフィリピンの11の出展者やアーティストによる多様な製品が展示されました。第98回東京インターナショナルギフトショーへの参加企業でもあるこれら企業が、自国の職人技巧を日本市場に紹介し、日本のバイヤーや企業との新たなビジネスチャンスの創出を目指し開催されました。 

持続性および革新が、日本とフィリピンのパートナーシップに相乗効果をもたらしていることが、このイベントにおいて示されていると言えるでしょう。日本アセアンセンター事務総長平林邦彦は開会の言葉として、「フィリピンの共同体の結束を象徴するバヤニハンの精神は、日本の和という調和と集団の力を体現する理念と共鳴しており、これらの価値観は単なる言葉ではなく、世代を超えて我々の社会に織り込まれており、我々のアイデンティティを形作り、未来を導いています」と強調しました。

特別展の期間中には、クリエイティブ産業や持続可能な開発に関する講演も開催

2024年9月5日には「フィリピンと日本の現代美術の進化と協力の展望に関するセミナー」が開催され、両国の共有された芸術史と協力の可能性が焦点となりました。このセミナーでは、技術がデザイン品質を向上させる重要性がテーマの一つとなりました。フィリピンのデザイナーがパイナップルやバナナなどの土着繊維を日本製の布地と統合することが日本のSTYLEMなどとの協力により可能となり、伝統的職人技巧の最先端技術との融合が可能になりました。

軽井沢ニューアートミュージアムの松橋榮一館長は、現代フィリピン人アーティストであり、アートを通して日本とフィリピン文化の相互関係を表現した芸術を紹介した。
日本のデザイナーやサプライヤーとのパートナーシップから生まれた、フィリピンの伝統工芸と現代技術を融合させた作品が展示された。 

日本の技術力とサステナビリティへのコミットメントは、特に高品質で機能的な製品を生み出す点で、フィリピンのデザイナーに新たな可能性を開いています。Shelmed Cottage Treasureのカミル氏は、日本の消費者はミニマルでエコフレンドリーなデザインを重視し、製品が倫理的に調達されていることを期待していると指摘しました。この需要はフィリピンのクリエイティビティを促進すると同時に、サステナブルで倫理的に生産された商品への世界的な転換とも合致しています。 

この事業は日本とフィリピンの協力を「多様性の祝祭」としても表現していました。フィリピンのアーティストやデザイナーは、自身の作品を通じて「多様な命の祝祭」を表現し、未知かつ新たな視点で日本の来場者を魅了していました。 

今回の日フィリピンの芸術的交流となったこの機会は、創造性と相互成長の環境を育み、両国がそれぞれの芸術的伝統から学び合う場となりました。創造性が文化の隔たりを超越し、未来の相互協力の可能性を広げる可能性を実感する機会ともなりました。 

2024年9月11日に行われたセミナー「コミュニティ開発におけるサステナブルインテリア製品に関するフィリピンと日本の協力」では、持続可能なデザインがコミュニティ開発に果たす役割が強調されました。武蔵野大学芸術学部学長の伊藤真一教授は、フィリピンと日本の協力が持続可能なデザイン実践の促進にどのように寄与できるかについて語り、フィリピンのソルソゴンで成功裏に実施された彼のクラフト開発プロジェクト「Kalikasan Sorsogon」を紹介しました。このプロジェクトは、発展途上国の人々のものづくりに対する情熱を刺激し、現地の材料への関心を高め、フィリピンの職人の能力向上に貢献することを目的として実施されました。 

本事業を通して得られたこと:

  • 日フィリピン間の文化的・商業的な結びつきを強化し、将来的な芸術とデザインにおける協力的関係の構築機会となった。 
  •  本事業に出展したフィリピン企業は、期間中、100人以上の業界関係者と交流することができ、将来的な両国のビジネス・パートナーシップの可能性につながる機会となった。
  •  今後はクリエイティブ産業におけるフィリピンの製品やサービスを日本市場に紹介するため、より革新的な機会が望まれる。

今後において:

日本アセアンセンターは今後もフィリピンの商品を日本市場の日本市場参入に資するため協力して参ります。

  • フィリピンの職人が展示会やデザインワークショップへの参加
  • オンラインなどでの販売拡大を推奨
  • 本のデザイナー、サプライヤー、業界リーダーとの協力ネットワーク構築および持続可能な製品開発と芸術交流の機会提供

イベントについて:

イベント:Finopinas: The Finest of Philippine Art and Design
日時:2024年9月3日~13日
会場:Tokyo Midtown Design Hub 東京
参加者:約5000人

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