ASEAN JAPAN CENTRE 日本アセアンセンター

事業報告

タイ医療ビジネスミッション

日本アセアンセンターは、タイ投資委員会(BOI)東京事務所と共催で、2024年3月17日から20日までの期間に、タイへのヘルスケアビジネスミッションを開催しました。

日本のヘルスケア産業のビジネス展望を高める

日本アセアンセンターは、日本のヘルスケア産業のビジネス展望を高め、タイのヘルスケア産業の最新ビジネス動向に関する深い洞察を得るための活動を通じて、タイを含むASEANと日本との間の投資機会を促進しています。 日本アセアンセンターはBOI東京事務所と共に、タイにおける日本のヘルスケア製品の新たな市場機会を探り、また、日本のヘルスケアプロバイダーとしての革新的な経験を共有するために、ビジネスミッションを開催いたしました。

高齢化の波と変化するタイの医療制度

タイの医療業界の現状は、高齢化によって大きく変化しています。現在、60歳以上の高齢者は18.3%で、総人口のほぼ5分の1を占めています。この人口動態の変化は、2030年までにタイが超高齢社会に突入する可能性を示唆しており、高齢者人口が28%を超えるという予測もあります。2023年時点で、高齢者の生活支援に焦点を当てた約14万1,000の事業が、タイで活動中の全事業の16.13%を占めています。

地域に波及する介護施設とサービスの開発の成長

同時に、タイの医療制度は、介護施設とサービスの開発の両面で進歩を遂げ、その成長が地域全体に波及しています。 タイはASEANで最も医療製品の輸出入額が多い国の一つです。パンデミック後の回復により、この産業は年率6.5%で順調に拡大しています。現在、タイでは800の介護施設が登録されており、2026年までには1200に達すると予想されています。特筆すべきは、医療施設の大部分が民間の関係者によって運営されていることで、全事業者の95%という驚異的な数字があります。サービスの31%は、主要都市であるバンコク、ノンタブリー、チェンマイ、チョンブリー、ラーチャブリーなどに分布しています。

日本に期待されるリハビリテーション・介護施設の医療経験

タイの医療業界は、特にリハビリテーションや介護施設に関する分野において、日本の医療経験に大きな期待を寄せています。日本はアジアの中で最も長く、かつ急速な高齢化社会に取り組んできた国として際立っています。そのため、タイの医療関連企業や病院は、高齢者介護サービスにおける日本の専門知識から学ぶ機会を大いに期待しています。さらに、日本企業が開発した製品や技術は、EUや中国など他国の製品と比べて、アジア人の体型に適しており、重量も軽いです。そのため、タイの医療行為に組み込むには特に魅力的です。

日本製車椅子やロボット脚サポートに関心

いくつかのタイの施設が、脳卒中やパーキンソン病の患者向けの日本製車椅子やロボット脚サポートに関心を示しています。 さらに、これらの施設は、協力と知識共有のために日本のリハビリテーションセンターを訪問する意欲も示しています。この需要は、日本の先進的なリハビリテーション技術への認識を強調し、日本企業が補助技術市場での存在感を拡大する重要な機会を示しています。これらの協力関係を活用することで、両国は医療イノベーションの進展から利益を得ることができ、結果として、移動に課題を抱える個人の生活の質が向上するものと考えられます。

ワールドメディカルホスピタルでの発表写真
シリラジ病院での発表写真

今後の展開:

タイのヘルスケア分野は大きな成長の可能性を秘めています。タイでは定評のあるヘルスケア製品が限られているため、日本企業がタイの看護師や介護士に自社製品を紹介することで、一歩先んじるチャンスとなります。また、一度製品に慣れた利用者は、習慣的な使用パターンを継続し、他の選択肢に切り替えることはない可能性が高いです。タイ医療における日本の戦略的な足場固めと、タイへの先端医療技術の提供のためには、他国の競合他社がこの成長分野の可能性をつかむ前に、迅速な対応が必要です。

日本アセアンセンターは今後もタイのヘルスケア業界の需要に応えるべく尽力してまいります。日本の革新的なヘルスケア製品のシームレスな統合を促進すると同時に、ヘルスケア分野における日本とタイの協力関係を強化しています。

セニゼンズ脳卒中リハビリセンター&シャーセリーホームでのプレゼンテーション写真
タマサート・タマラーク・ホスピスでの集合写真

イベントについて

タイ医療ビジネスミッション
会 期:2024年3月17日(日)~20日(水)
開催地:タイ
共 催:タイ投資委員会(BOI)東京事務所、国際機関日本アセアンセンター
参加企業:7企業
訪問施設:ヘルス・アット・ホーム・ケア・センター、クルアナムタイ第2病院、シリラジ病院、セニゼンズ脳卒中リハビリセンター&チェルサリー・ホーム、ワールド・メディカル病院、タマサート・タマラーク・ホスピス

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