日本アセアンセンターは日本旅行業協会(JATA)と「東南アジアへの教育旅行セミナー2023」を共催いたしました。
本セミナーは、ASEAN諸国への教育旅行の誘致を促進することを目的とし、学校関係者、旅行業界関係者等を対象に、教育旅行に関するアップデート情報を提供しました。ハイブリッドスタイルで行われ、会場では30名、オンラインでは70名が参加しました。
ASEAN加盟国中6か国の政府観光事務所と航空会社による講演では、それぞれの国の概要や基本情報に加えて、豊富な教育アクティビティの素材の紹介 があり、ASEANでの教育旅行の可能性が示されました。
教育旅行の素材例:
<インドネシア>
バリのグリーンスクールで実施するサステナビリティ教育、異文化交流、チームビルディング、自然型体験学習、ビンタン島のエコファーム、マングローブ植樹
<マレーシア>
カンポンビジット(地方を訪問するホームステイ)、イスラム教やSDGsを学ぶプログラム、マレーシアとシンガポールをまたぐ安全な国境越えユニーク体験
<フィリピン>
オンラインとオフラインを併用した英語留学(オンラインで予備学習をした後に、現地で学ぶ)、目的や対象によって異なるESL学習コース
<シンガポール>
セントーサの各施設のサステナビリティプログラム、水の供給が課題であるシンガポールのNEWater(水浄化システム)
<タイ>
平和学習、歴史・世界遺産をテーマとした旅行、スポーツ交流、インターナショナルスクールが多いタイへの留学、タイ国政府観光庁が掲げる観光における17のサステナブル指標(STG)、コミュニティが主体となり地域の歴史や伝統を守りながら観光コンテンツとしてアピールする地域型観光(コミュニティベースドツーリズム)
<ベトナム>
ベトナム戦争の歴史を学ぶ平和学習、自然学習、現地学校・生徒との交流、日本と結びつきのある世界遺産などを巡る歴史・文化学習、ベトナムに進出する企業訪問などの産学連携
参加者の声
セミナー終了後に実施されたアンケートでは、回答者のうち93%がセミナーの内容が教育旅行の企画の参考になったと評価をしました。
また、現在の海外への教育旅行の取扱いについては、22%が「実施が決まっている」、34%が「検討をする」と回答をしました。
海外への教育旅行を検討するにあたり重視する要因として最も多く選ばれたのは「全体の費用」に続き、「交流できる学校の有無」、「安全性」となりました。
セミナーを視聴した全参加者が東南アジアは教育旅行の行先として「非常に相応しい」または「相応しい」と回答をしていることから、ASEANは教育旅行の目的地としてのポテンシャルが非常に高いことが示されました。
セミナー後には、会場参加者を対象としたコンサルテーションの時間が設けられ、各国の担当者から個別に情報提供をしました。今後、教育旅行を通した日本とASEANの交流に期待が寄せられます。
ウェビナーのアーカイブは、こちら(https://youtu.be/oyfJzEH3vZE)からご覧いただけます。